記憶の中で… 2
そんな事を言われて、照れ臭くて話を逸らした。
「母さん、ユキだよ。」
「は…はじめまして。」
「はじめまして、ユキさん。私の入院中はナツキが色々とお世話になったらしいわね。どうもありがとう。」
「いえ、そんな。」
「積もる話もあるだろう。先ずは車に乗ろうか。」
四人で止めてあった車に乗り込んだ。
ユキと二人で後部座席に座ると、くいくいとユキが服を引っ張った。
「ん?」と耳を傾けると、コソコソと耳打ちした。
「愛してる。」
照れ臭そうにニコッと微笑むユキ。上目遣いに俺を見る顔が可愛くて、思わずユキの頭を抱え込むように抱いた。
そして耳元で、「俺も。」と告げた。