記憶の中で… 2
ワイン
ある日の夜、父さんと母さんがワインを楽しんでいたら、ユキが味見がしたいと言った。
「おい、ユキ。止めとけって。今から味覚えてどうすんだよ。」
「お願い。ちょっとだけ。」
そう言って口にすると、
「うっわあ、美味しいこれ。ワインてこんなに美味しいの?」
「これ、甘めで飲みやすいから私も好きなのよ。」
母さんは少し酔ってるのか、顔が赤い。
「もう少し下さい。」
とグラスを差し出すユキに、「いい加減にしろ。」と取り上げた。
「えー。ナツキだってビール飲んでたじゃない。」
「あれは日本のより度数が少ないんだよ。」
「でもアルコール入ってんでしょ?私につべこべ言う権利ないじゃん。ほっといて。」