記憶の中で… 2
「あ…じゃあ英語。英語なら大丈夫でしょ?」
「……。」
ユイちゃん、結構粘るな。何かあるのか?
「何か…あるの?」
「え?う…ううん。何もないよ。まだ4月なのに一杯宿題出ちゃって…。英語ならナツ君少し喋れるから。」
喋れるから…て、問題が解けるとは限らないんだけど…。
「あのさ。俺、本当に勉強苦手なんだ。ユキに聞けないなら学校の先生に…。」
ユイちゃんの顔が徐々に歪んで、上目遣いで睨まれた。
「…意地悪。」
「は?」
「お姉ちゃんにはあんなに優しいくせに、ナツ君はユイに冷たい。ユイの事、嫌いなの?」
「え?そんな事ないよ。」
「だってお姉ちゃんには、朝、おはようのキスとかしてるのに、ユイにはしてくれないじゃん。夜だってお姉ちゃん抱き締めてるじゃない。何でユイにはしてくれないのよ?ユイだって外国の人みたいにやってよ。」
「……。」