記憶の中で… 2
「お前、夕べ脱ぎ散らかして寝たじゃん。覚えてねえの?」
「…脱ぎ散らかして…て、あの…下着まで?」
「そ。」
怪訝な顔をしてしばらく考えた後、段々険しい顔つきになった。
「私が自分でやったって言うの?…ナツキがやったんでしょ?」
「…やったのは俺だけど、『して。』て言ったのはお前だろ。」
「ナツキー!!」
その日、ユキはずっと不機嫌で俺の事は全く無視。
チラッと横目で顔を見てはブツブツと文句を言って、「フン!」と顔を背ける。
昼間、散歩に行こうと誘えばついて来るものの、2mは離れて歩く。
あ~あ、夕べ下着ぐらいつけときゃよかった。
俺はゆっくりとした歩みを止め、ユキに近づいて手首を掴んだ。
「何よ!離して!!」
「そんなに俺と歩くの嫌か!?なら何でついて来んだよ。」
「だって…。」
俺から顔を背けて俯いた。