記憶の中で… 2
「…びっくりしたんだもん。…恥ずかしかったんだもん…。」
ポンポンと頭に手を置いた。
「誰もユキの体見てないよ。俺だけじゃん。俺だって、ユキが寝てんのに触れたんじゃない。お前が、『キスして。』て言うからしたら、『もっと。』て言ったんだ。そりゃ、酔ってるお前に手え出したのは悪かったけど、あんな少しのワインで覚えてない程酔ってたなんて思わなかったんだ。ごめん。もう機嫌直せよ。」
「私も…ごめん。」
「後三日しかないんだ。楽しまなきゃ損するぞ。」
「…うん!」
後で分かった事だけど、母さんたちとワインを飲む前、食事の準備を手伝ってる時に、どうもあれやこれやと飲んで味見をしていたらしい。
道理でコソコソしてると思ったんだ。
食事の時には既に酔っていて、そんな事全然気づかなかった。
母さんも母さんだよ。まだ17の女の子に飲ませるなんて…。