記憶の中で… 2
「日本ではどうなの?成績はいい方?」
あ…おばさんは日本に来てすぐ入院しちゃったから、知らないんだ…。
「…それが…。漢字が分からないみたいで…。ノートを見ても、ほとんど平仮名ばっかりだし、意味もそんなに…。だから試験でも問題の意味が分からない…て。」
「そうなの。それじゃあ大変でしょうね。」
「おい、ユキ!」
突然ナツキが割って入って来た。
「10時になったら出掛けるぞ。あ、母さん。今日、元クラスのメンバーがパーティーしてくれるんだってさ。ユキ連れて行って来る。」
「そう。よかったわね。楽しんでらっしゃい。」
え…?パーティー?
ナツキ、友だちいないって言ってなかったっけ…?
それにパーティーなんて…何着て行けばいいんだろ。
「ナツキは何着て行くの?」
「は?このままだけど…。」
「そうなの?じゃあ、私もこれでいいかな。」
「うん。パーティーって言っても同じ年の子の集まりだし、そんな気の張るようなもんじゃない。」
「ふーん。そうなんだ。」