記憶の中で… 2
腹痛
ユイちゃんたちが帰って来る日の朝。
中々ユキが起きて来ない。俺は部屋まで起こしに行った。
コンコン…
「ユキ?そろそろ起きろよ。もう10時…。」
ベッドの中でうずくまってる。傍まで行って顔を覗き込んだ。
「おい、ユキ…。」
そこには脂汗をかいて苦しそうな顔をし、体を丸くしているユキがいた。
「ユキ!?どうしたんだよ、おい!」
タオルで汗を拭いてやったけど、汗は止まらない。
「う……。」
小さな小さな消え入りそうな声が聞こえた。
「何?何て行ったんだよ!?」
「お…な…か…。」
「お腹?腹痛いのか!?」
小さく頷くユキに、
「分かった。今、救急車呼んでやるから、もう少し我慢しろ。」