記憶の中で… 2
救急車が到着し、隊員の人がユキのところにやって来た。
「いつからこの状態?」
「気がついたのは10時で、その時にはもうすでに汗を一杯かいてて…。」
「痛いのはお腹のどの辺?あー、下腹押さえてるね。君はご兄弟?」
「いえ…あの、し…親戚です。今一緒に住んでて…。」
「彼女のご両親は?」
「今は外出中で、夜には帰って来ます。」
「…失礼だけど、彼女妊娠の可能性は?」
「妊娠?いや、そんな筈は…。」
そりゃ何回か抱いたけど、避妊はちゃんと…。
いや、待て。避妊、ちゃんとしたか?
…確か一回だけ…。
そうだ、初めての時だ。
突然できた二人の時間にちゃんと準備できなくて、一回ぐらい大丈夫だろうと思ったんだ。