記憶の中で… 2
俺は手術室の前で呆然と立ち尽くし、何が何だか分からなかった。
力が抜けたように長椅子にドサッと座り込むと、頭を抱えた。
何でこんな事になったんだ。
手術?お腹の中で出血?
子宮外…て一体どこに妊娠したって言うんだよ。
ユキは…助かるのか…?
体の震えが止まらない。
ユキがいなくなったら…俺はどうなるんだ。
ユキのいない世界なんて…耐えられない。
俺の前からいなくなるな!
頼むから無事でいてくれ。
神様、俺からユキを奪わないで。お願いだ。
ずっとそんな事を考えて祈っていた。
おじさんやおばさん、ユイちゃんにもケータイで連絡しようとしたけど、通じなかった。