記憶の中で… 2
怒り
病室の廊下をバタバタ走る音が聞こえ、部屋の前まで来るといきなり扉が開いた。
「ユキ!!」
随分慌てて走って来たんだろう。おばさんは肩で激しく息をしている。
ユキの傍へ駆け寄り、矢継ぎ早に言葉を浴びせた。
「大丈夫なの?お腹、痛くない?ああ、何でこんな事に…。先生は?先生は何て言ってるの?」
「お母さん。…ごめんなさい。こんな事になって…ごめん…なさい。う…う…。」
「…ユキ。相手は…ナツ君…なの?」
「……。」
黙ったまま頷いた。
「二人が惹かれ合ってるのは知ってたわ。だからこそ気をつけてたのに…。何でもっとよく考えなかったの!?傷つくのは貴女なのよ。」