記憶の中で… 2
「回りに迷惑をかけないようにする事も大人への第一歩だ。
自分を大切にする事は、ユキさんも大切にするという事だよ。
ユキさんを大切にしてあげなさい。
あ、それから一週間程で退院できると思いますよ。たぶん学校はしばらく休む事になると思いますが、それはまた退院の日に…。それじゃ。」
先生が席を立ち、俺はおばさんに向き直った。
「おばさん…すみませんでした!!…こんな言葉で許してもらえるとは思いませんけど。
でも!今はこれが…俺の精一杯なんです。俺にできる事だったら何でもします。
たくさん世話になっておきながら、恩を仇で返すような事をして…申し訳ありません。」
「……。」
深く頭を下げたままじっとしていた。おばさんは何も答えず俺を見ている。