記憶の中で… 2
…次の日も…次の日も…
ナツキはちっとも来ない。
イライラしてお母さんに気持ちをぶつけた。
「お母さん!ナツキは!?何で来ないの?」
「…ユキ、あのね…。」
「ちゃんと来てって伝えてくれたの?話があるって言ったじゃない!」
「…ユキ。そんなに興奮しないで。ナツ君ね、もういないのよ。」
「…え?いない?どういう事?」
「貴女には退院してから言おうと思ってたんだけど…。」
ナツキは私が手術をした次の日に、家を出て行ったとお母さんは言った。
「何で?学校もあるのに、何で出て行かなきゃいけないの?もうすぐ二学期なんだよ。ナツキは帰って来るんでしょ?ねえ、お母さん。」