記憶の中で… 2
「え?ユキ、知らなかったの?」
「何を?」
「だって高島君と一緒に住んでたんでしょ?知らない筈ないじゃない。」
「事情があって、入院中に自宅に戻ったみたいなんだ。だから何か知ってたら教えて?」
「……。」
「?」
「ユキ。高島君と別れたの?」
「ううん。別れてない。」
だって急にいなくなったのに、そんな話もできる状態じゃなかったもの。
「そう。高島君ね…退学したの。」
「…う…そ。」
「…夏休み中に手続きに来たみたいだよ。だからクラスの誰も会ってないし、どこに転校したのかも知らないんだ。」
そんな…
「ユキ?…大丈夫?」
「ツルちゃん。私、早退する。」