記憶の中で… 2
「クスクスクス…。」
「君はそんな感じじゃなさそうだけど、お巡りさんとしてはその大きな鞄、気になるなあ。親御さんは知ってるのかい?」
「……。」
「そっか。知らないのか。じゃあ、君の事少し聞くよ。名前は?」
本当の事なんか言えない。家に連絡されたらナツキを探せないじゃない。
「か…カイダユミ…。」
「年は?」
「…18。」
「住所は?」
「…家に連絡するの?」
「君の話次第。」
「?」
「何のために小学校へ行くのか、話してくれない?」
「……。」
仕方なく話す事にした。
「事情があって、私の家族と一緒に住んでた男の子を探してるんです。先日、実家に帰っちゃって、その男の子の家に行きたいんだけど、引っ越し先が分からなくて。弟や妹が小学生だから学校で引っ越し先が分からないかと思って。」