記憶の中で… 2
「そうか。」
「あの!嘘じゃないです。」
「うん。信じてるよ。とりあえず鞄の中身を確認させてくれる?ちょうど婦警さんがいるからよかったよ。ちょっと待ってて。」
お巡りさんは奥の部屋に婦警さんを呼びに行った。
こんなとこで時間を潰していられない。早くしないと…。
でも机の上の地図は書きかけで、これじゃよく分からない。はああー。
大きなため息が出た。
お巡りさんが戻ってきた。
「ちょっとごめんなさいね。」
そう言うと婦警さんは鞄のジッパーを開け、ゴソゴソと確認した。
「着替えがあるけど…家出じゃないのね?」
黙って頷いた。
「お願いです。急ぐの。早く地図を書いて下さい。」
「分かった。じゃあ学校まで案内するよ。いい?」
「はい。」