記憶の中で… 2
手紙《ユキside》
ユウキ君とシオリちゃんに連れられて、ナツキの家へと向かった。
ナツキのお母さんはとても驚いて、招き入れてくれた。
「ユキちゃん。今回の事、本当にごめんなさい。ナツキがとんでもない事をして…。何度も謝りに行ったんだけど、ずっと留守で…。体はもう何ともない?」
「はい、大丈夫です。もう、学校にも行ってるんです。
おばさん、ナツキの事、謝らないで下さい。」
「え?」
「だって、ナツキはいつも私の事、考えてくれてた。
私もナツキだったら…と思って、こういう事になってしまったの。
ナツキだけが悪いんじゃないもの。
ナツキを責めるなら、私も責められて当然なの。
でも、皆ナツキばかりを責めて…。
私が助かったのはナツキのお陰。
私の異変に気付いて、救急車を呼んでくれて、手術の後もずっと傍にいてくれた。心強かった。
でもその後、母が酷い事言って追い出すような事になってしまって…。ごめんなさい。
今日までナツキが学校をやめた事も知らなかった。」