記憶の中で… 2
ナツキを信じるよ。必ず帰って来る、て。そして、家に帰ってもうひとつの手紙を探さなきゃ。
「おばさん。私、もう帰ります。」
「え?今からじゃ遅くなっちゃうわ。泊まっていきなさい。お母さんには私から連絡…。」
「ううん。早くナツキの手紙を見つけたいから。どうもありがとう。おじさんによろしく伝えてね。」
持って来た大きなバッグを肩にかけ、ユウキ君とシオリちゃんにも別れを告げた。
電車に揺られながら、様々な記憶が蘇った。
小さい頃の夏樹と知らずに出会って、恋をして、一緒に記憶を探して…。
やっと夏樹を見つけたと思ったら、またいなくなって…。
置いてけぼりばっかりだ。
でも今度は置いてけぼりにはならない。
ナツキが自分探しの旅に出たのなら、私も日本の中で自分のやるべき事を見つける。
だから、今度会えたら三度目の正直。
私がナツキを 離さないんだから。