記憶の中で… 2
「…ユウキ。」
「う…そ…。ユウキ…君?」
「そ。」
「そんな筈あるわけないよ。だってユウキ君は小学生で、もっと小さくて、声だって高くて…。」
「あのな、何年経ってんだよ。ユキだって高校生じゃないだろ。相変わらずボーッとしてんな。」
「何よう…。う…偉そうに…。ナツキと同じ顔して、…同じ声で、『ユキ』なんて呼ばないでよ…。う…え…。」
一気に気が緩んだせいで、気持ちとは裏腹に涙が溢れた。
「…ご…め…。ナツキを見てるみたいで…うっ…く…。」
溢れる涙はとどまる事を知らない。いくら拭っても止まらなかった。
「それ、兄貴のために取っとけよ。」
「…え?」