純粋に愛してる
せっかくのチャンスが…
あたしはまた、男を睨んだ。
すると視線が重なった。
ヤバッ…
慌てて視線を反らすと
男が鼻で笑うのが聞こえた。
「お前も同じクラスなんだ」
…は?
それは、あたしに向けて言ってるの?
「なに?誰に言ってんのよ」
前の女の子がこっちを向いた。
チャンスかも!
「あ…2人仲良いんだね」
男はニヤッとしながら
あたしを横目で見てる。
女の子はあたしの言葉を聞いて
笑顔で返してくれた。
「中学が一緒なんだ。あなたは元弥と知り合い?」
元弥…?
聞き覚えのない名前。
それが、この気にくわないヤツだってことはすぐ分かった。