純粋に愛してる
あ……
「大丈夫?俺が支えるから」
「……はぃ」
声の主はこの間ぶつかった
爽やかな人。
真緒の腕を肩に回し
あたしより上手く支えてくれる。
先輩だと思ってたのに
同い年だったんだ…
頼もしい人が来てくれて、不安が一瞬になくなる。
やっぱりいい人なんだ。
「…その声…ソウ?」
力なく真緒が言ったのは
多分、この人の名前。
え…知り合い?
「ああ。高橋、むちゃしすぎ」
「アハハ…ごめんごめん」
控えめにだけど真緒が笑って
少しホッとした。
「俺このまま戻るけど、君はどうする?」
「あ…!一緒に戻るよ」
彼は返事の代わりに
爽やかな笑顔を返してくれた。
そして、真緒を支えてくれる彼の後について一緒に下山した。