純粋に愛してる
「でも、あたしは違うから」
なにをアピールしてんだ。
笑い話にもならない。
人のことを嫌いだなんて話。
木村君の顔から
また、笑顔が戻ったと思ったら
木村君が立ち上がった。
「安心したよ」
――ドキッ
真っ正面からの笑顔に
なぜか胸が高鳴る。
安心って…
「高柳みたいないい子が誘惑されなくて安心した」
ちょっ…
なに!?そのセリフ…
顔が熱くなってく。
笑顔だけじゃなく
言葉も上手いの!?
言い返せないでいると
木村君があたしの手の中にある
既に空の紙コップを取った。
「でも残念…俺、アイツと親友なんだ」
えええぇぇぇぇぇ!!!???
それだけ言い残し
木村君が去って行く。
あたしはもう、固まって動けなかった。