純粋に愛してる
――ザザーン……
はぁ…
もう生き地獄だ。
ホテルから20分くらい歩いた所に
綺麗な海があって、真緒と行こうと思ってたのに。
今、あたしの横には大嫌いなアイツが。
「高柳だっけ?」
「………」
人の名前をうる覚えなんて
最低な人間だと思う。
「ルートに海入れたのお前だろ」
「………」
紙を見ながら文句らしきものを言ってくる。
ていうか、あんたと行く予定じゃなかったし!
あたしは目を合わすこともしないで
ただ、海を見つめてた。