純粋に愛してる


左から右に流すように
ただアイツの声が流れるだけ。


できれば話しかけないでほしい。


波の綺麗な音が
台無しになるからね。




ずっとシカトする気でいたのに

そうやって乗り越えようと思ったのに



「まじで俺のこと嫌いなんだ」


「――えっ!?」


一瞬にして、無駄になった。


ヤツの瞳にあたしが捕らえられ
しまったと思った時にはもう遅かった。



「フッ…シカトしてんじゃなかった?」


むっかつく!


口角をあげてバカにしたように笑われ
顔に火がついたみたいに熱くなる。





< 48 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop