純粋に愛してる


しばらくの無言が続く。


なにを考えてるのか全然分からない。


ただ感じる。

隣に居る、アイツの存在の所為で今はどうしようもなくドキドキして

特に暑いわけでもないのに
ペットボトルを持つ手が汗ばんでくる。





「昨日も寝れなかったんだろ」


その沈黙を破ったのは
アイツの方だった。


なんでも分かってるみたいな感じで
言ってくるのは、どうして……


「…別にいいでしょ」


そして、なんであたしは

こうも突っ張ってるんだろ。



「水飲めよ。集合場所までまだ歩くんだからな」

「………」



あたしの知ってるヤツは
こんなんじゃない


もっと軽くて、それなのに冷たい
そんなヤツ。



なのに、なんでそんなに
優しいのよ……





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