純粋に愛してる
まだ新しくて、キレイなブレザーがよく似合う。
よく見れば顔が整ってて
見とれてしまう。
「なに見てんの」
「あ…」
つい、見すぎた…
目の前に居る男は
あたしを見下ろす。
「優衣ちゃーん!見てきた…」
萌絵が人だかりから抜けてくると
その姿はボロボロで
「変なヤツ」
目の前の男は萌絵を見て
ボソッと言ったのが聞こえた。
顔はいいくせに
なんて嫌なヤツ。
あたしはキッと睨みを効かせた。
一瞬、目が合ったけれど
すんなりと交わされ、あたしの横を通り過ぎる。