今夜も美味しいランデブー

「この売店は本社のICカード使えるんでしょうか?」


本社…?

ああ、このひと、
本社のひとなんだ。

やっぱり、
そんな感じする。



「使えますよ」

黙っていたアタシの代わりに陶原くんが答える。


「ありがとうございます」

彼女はそう言って軽く頭をさげた。


「納野サンどしたん?」

陶原くんの声にはっとする。


「あっ、えっと。
なんでもあらへんよ。
あのひと本社のひとなんかなあ?
なんかカッコいい女のひとやなーと思うて…」


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