今夜も美味しいランデブー

「へー、それでも結構かかるんやなあ。
でも通勤やったら毎日か。
大変なんちゃうん?」


「まあ、そやけど。
でも…」


「…でも納野サンは京都が好きなんや、な?」

なんだかそう言われたことが。
どうしてだか。


「うん」

嬉しくて笑顔になる。


あ、そうだ。

「あの、晩御飯、よかったらうちで…。
あ、うん、
そんなたいしたことないねんけど。
味のほうは…その多分、大丈夫。
妹と一緒に昨日の夜に下ごしらえして…」


それだけ言うのにすごくどきどきする。

彼に返事する隙を与えないくらいに必死で早口でしゃべる。

< 164 / 293 >

この作品をシェア

pagetop