今夜も美味しいランデブー
「へー、それでも結構かかるんやなあ。
でも通勤やったら毎日か。
大変なんちゃうん?」
「まあ、そやけど。
でも…」
「…でも納野サンは京都が好きなんや、な?」
なんだかそう言われたことが。
どうしてだか。
「うん」
嬉しくて笑顔になる。
あ、そうだ。
「あの、晩御飯、よかったらうちで…。
あ、うん、
そんなたいしたことないねんけど。
味のほうは…その多分、大丈夫。
妹と一緒に昨日の夜に下ごしらえして…」
それだけ言うのにすごくどきどきする。
彼に返事する隙を与えないくらいに必死で早口でしゃべる。