今夜も美味しいランデブー

「そんなに言うなら…
行ってみたいデス!」

アタシは小さく挙手する。


「お?
興味わいてきた?
うん、ほな、
今年の天神さんは一緒に行こか?」

嬉しそうに笑う。

そして少し考えたふうに続けた。

「でも今年の本宮は平日やから…。
大川の見える天神橋で待ち合わせってどうやろか?」


なんか適当だなあ。
だって天神祭もかなりの人出なんでしょ…?

「ひと、多いんやろ?
そんな曖昧な約束で大丈夫やろうか?」


「大丈夫、大丈夫。
どんな人ごみの中でも俺は納野サンを見つけられる」

彼は胸を張ってさも自信ありげな態度で答える。

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