今夜も美味しいランデブー
アヤヒだ。
なんだ帰ってきたのか。
もうちょい気遣ってゆっくり帰ってくればいいのに。
「おじゃましてますー」
陶原くんは大きな声で玄関に向かって答える。
アヤヒはその声に反応してパタパタと居間のほうへと駆けてきた。
「あーいらっしゃい。
陶原さんですか?」
ニヤニヤとしながら彼女は彼に尋ねる。
変なこと、
言うなよ。
余計なこと、
言うなよ。
「そうです、
はじめまして」
にっこりと彼は答える。