My best friend
あたしと同じだ。
だけどあたしと決定的に違う。
そんな悪循環からちゃんと抜け出して、しっかりと自分と向き合い、非を認める。
あたしは……こんな醜い自分と向き合う勇気なんてない。
ひーに正直に話して謝る勇気なんてない。
この子みたいには……できない。
「あたしもごめんね……」
せめてもの謝罪をすると、女の子は首を横に振って笑ってくれた。
「──ね、大丈夫だったでしょ?」
みんなと仲直りしたあと、ひーが得意げに言った。
「うん……。ありがとう、ひー」
「えへへ、どういたしまして♪」
照れ臭そうにはにかむ姿は、今日は心から可愛いと思える。
「──伊沢っ!?」
するとその直後、ガラッとドアが開く音と共に、あたしの名前を呼ぶ声が耳に届いた。
「……あ、高村くん」
「『あ、高村くん』じゃねーよ!!伊沢のアホ!!」
……まさか朝一番にアホ呼ばわりされるとは思わなかった。