My best friend

「あ、はる！今日は一緒に回れる？」


あたしたちのグループの次は、ひーたちのグループの番。


占い師の衣装に着替えたひーが、屈託のない笑顔で問いかけてきた。


ひーは、あたしが昨日、ひーと田代先輩が一緒にいるところを見てたことを知らない。


だから、こんなふうに笑ってられるんだ。


そう思うと、正直腹が立つ。


だけど、文化祭という特別な行事が、あたしを優しくさせてくれたみたいで。



「うん、大丈夫。一緒に回ろ」



あたしが頷くと、ひーは「やった！」と飛び上がって喜んだ。




ひーを待つ間、あたしはひとりで校内を回っていた。


今日は一般公開の日。
ここの生徒じゃない一般の人たちも来てるため、昨日よりも盛り上がっていた。


たくさんの人が狭い廊下を行き来していて、息苦しい。


もともと人ごみが得意じゃないあたしは、すぐにギブアップしてしまい、吹奏楽部の演奏が聴ける中庭へとやってきた。