My best friend
「何でひーはいつもそうなの!?
あたしが欲しいものはみんな持ってるくせに、それを『はるのため』とか言って簡単に捨てようとする。
捨てるなら最初から奪わないでよ!少しくらいあたしにくれたっていいじゃない!!」
涙が自然と溢れてきて、目の前にひーがいるのかもわからないほど視界がぼやける。
「はるっ……」
ひーの目は驚きと戸惑いで揺れている。
それでもあたしは続けた。
「いっぱいいろんなもの持ってるくせに……田代先輩の気持ちまで持ってっちゃわないでよ!!」
なんて理不尽なことを言ってるんだ、あたしは。
本当はこんなこと言うつもりなんてなかったのに。
あたしはただ、先輩を振った理由が知りたかっただけなのに。
何でこんなことになっちゃったんだろう。
「ひーなんて……」
ダメだよ、あたし。
それ以上言っちゃったら本当に後戻りできなくなる。
でも……もう無理。
「ひーなんて、大っ嫌い!!!」
──言った。
とうとう言ってしまった。
こぼれたものを戻すことはできない。
壊れてしまった友情も、元には戻らない──。