My best friend




手術に向けて、ひーは本格的に治療を始めた。


成功率30%の手術はとても難しいものらしく、すぐには受けられない。


最低でも手術を受けられるようになるのは、今から1〜2ヶ月後。


それまでの間は、点滴による治療を行い、手術に備えるとのことだ。


今から2ヶ月後といえば、もう二年生は終わりを迎える頃だ。


手術をするまで入院を余儀なくされたひーは、当然学校に来られない。


つまり、今このクラスのみんなと顔を合わせることはもうない。


そのことを、あたしと高村くん、担任の先生は、今日のLHRで伝えた。




「知らなかった……。裕菜がそんな苦しい思いをしてたなんて」


沈黙を破ったのは、ひーをすごく気に入っていた学級委員の女子。


「本当に……裕菜ちゃんは病気なの?」


あたしが頷くと、問いかけてきたその子は、とうとう泣き出してしまった。


次第に、教室内はすすり泣く声でいっぱいになる。



「みんなで……千羽鶴作りませんか……」



その時、かすかな言葉があたしの耳に届いた。



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