My best friend
「……何、これ……」
「いいよ」というあたしの声の直後、ひーの目がゆっくりと開かれる。
鮮やかな、今にも飛び立ちそうな鶴たちに、ひーはすぐに釘付けになった。
「クラスのみんなとね、作ったんだ」
「色紙はみんなからのメッセージですっ」と、高村くんは何故か得意げに言った。
「ひろちゃんの手術は成功するってみんな信じてるけど、一応願掛けってやつだよ」
田代先輩の柔らかい笑顔が、やけに輝いて見える。
ふふっ、と小さく笑ったひーは、少し歪な形の悪い鶴を指差した。
「これ、先輩が作ったんでしょ」
「え?そうだけど、何で?」
「先輩、意外と不器用だから」
赤い少し不恰好な鶴を撫でると、次は水色の鶴を眺める。
「こっちは高村くんかな。高村くんは、意外と何でもできちゃう器用な人」
「よくわかったなー。まあ、浩也に教えてもらったんだけど」
照れくさそうに笑う高村くんに微笑みかけ、今度は白の鶴を指差した。
「白の鶴は……絶対はる」