My best friend




長い1日だった──。



今から手術が始まるんだろうとか、もう終わったかなとか、ちゃんと成功したかなとか。


考えても意味ないのに、考えることをやめることができなくて。


それで頭が痛くなって。


頭痛薬を飲んで横になってみたけど、痛みは増すばかりだった。


そんなふうに無気力に過ごして、気付けば外は真っ暗になっていた。




夕飯なんてもちろん食べる気になんてなれない。


あたしを気遣ってくれたようで、並んだおかずは大好物ばかり。


それでも、お箸は動かせなかった。


「……ごちそうさまでした」


お母さんごめんね。


心の中で謝りながら、席を立つ。


自分の部屋に戻ろうと、階段を一段踏んだ時だった。



電話が鳴り響いた。



反射的に足を止める。


お母さんが出たみたいで、「はい、はい」と少し焦ったような声が聞こえた。


誰からだろう、と思いつつも興味はない。


今日はさっさと寝よう……。



「はる!ひーちゃんの手術、無事成功したって!」



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