My best friend
ひーの心拍数を示す無機質な音が、ひどく耳障りで嫌になる。
これだから、病院は嫌いだ。
人が必死で生きているという証を、機械なんかで数値化して。
人間というのは、そんな簡単なものじゃないのに。
ひー、あんたはこんなところで負けるような子?
いつもあたしの前にいて、キラキラと輝いていたひーが、こんなところで負けるわけがない。
「……ひー」
起きてよ。起きなさいよ、ひー。
ひー、あたしがあんたを嫌うようになってから、いろんなことがあった。
同じ人を好きになって、
一緒にいても苦しくて、
文化祭のあの日……初めて自分の気持ちを吐き出して、喧嘩した。
痛かったよね、ひー。
ごめんね……。
ひーの左頬はすべすべで、まるで赤ちゃんみたい。
あたしは、そんな彼女の頬を、怒り任せに殴ってしまった。
「ひー……」
ひどいことしたのに、ひーは笑って許してくれた。
もう一度、“親友”になってくれた。
ひー、やっと本当の親友になれたのに、こんなところで死んじゃったら意味ないよ。