My best friend
「じゃあ、分担決めますね」
うちのグループは文実委員の2人がいるから、いろんなことがすいすい進んでいく。
少しおろおろしつつも、相沢くんのフォローを受けながら一生懸命頑張る桜さんを、素直にすごいと感じた。
「あの2人、実は付き合ってんだぜ。知ってた?」
高村くんがそっと耳打ちをする。
「ううん、知らなかった。でもお似合いだよね」
「だよな!」
あたしが答えると、高村くんは自分のことのように嬉しそうに笑った。
“友達の幸せを心から祝福する”
そのことが普通にできてる高村くんはすごい。
あたしは……できないもん。
ひーが幸せだったら、ひーだけずるいって思ってしまう。
ううん、ひーだから祝福できないんだ。
きっと桜さんだったら「よかったね」と、心から言える。
何で……ひーじゃダメなんだろ。
あたしにないものを、みんな持ってるから?
考えても答えは出なかった。