My best friend




「はる……今日一緒に帰れる?」



グループごとで分担を決め、全体で教室のレイアウトを決めたところで今日の集まりは終わった。


暑いから早く帰ろう、なんて思いながらバッグを肩にかけると、ひーが控えめに問いかけてきた。


いつもはそんなこと聞いてこないで、「帰ろう!」って飛び付いてくるのに。


グループわけのときのあたしの態度がおかしかったから、機嫌を伺ってるんだと思う。


だけど、そんな様子が逆にあたしをイラつかせた。



「ひー……」



ひとりになりたい、けど。



「大丈夫だよ。一緒に帰ろう」



なるべく優しい声で答えると、ひーはたちまち笑顔になり。


「うん!」


嬉しそうにあたしの隣を歩き始めた。


あたし……結構ひーに対してひどい態度をとってると思う。


なのに、何でひーはあたしから離れようとしないんだろう。


それがどうしてもわからない。



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