My best friend
「もう、すぐ学校行くの?」
「ううん。今日はひーと一緒じゃないから、遅めに出る」
そう答えると、温かい朝ご飯が用意された。
そして、あたしの向かいに座ったお母さんが、少し深刻そうな表情で重々しく口を開いた。
「……その、ひーちゃんなんだけど、夏休み終わるまで学校行けないんだって」
え……?
目で「何で?」と問いかけると、お母さんは頬に手をあてて少し首を傾げる。
「お母さんも詳しくはわからないんだけど、さっきひーちゃんのお母さんから電話があってね。
ひーちゃんの体調が最近優れないから、しばらく文化祭の準備は休ませてもらうって言われたわ」
何故か胸がざわついた。
どうしたのかと心配する気持ちもあれば、ひーと顔を合わせなくて済むという安堵感もある。
「だから、文実委員の子に準備出られなくてごめんって、はるから謝っておいてって頼まれたの。
はる、お願いね」
「うん……」
複雑な気持ちを抱えたまま、あたしは家を出た。