My best friend
その直後、ピリリリと携帯が鳴り、着信を知らせる。
マナーモードにするの忘れてた……。夏休み中だし、先生は教室にいなかったから助かったけど。
「もしもし?」
〈あ……はる?おはよう〉
電話をかけてきた相手はひーだった。
「ひ、ひー!? どうしたの?」
〈うん……。ちょっと文化祭の準備のことが気になって〉
電話の向こうのひーはやっぱり体調が悪いのか、いつもより声のトーンが低めで疲れているみたい。
咳をしているのも時折聞こえ、本当につらそうだった。
「そんなことで体調悪いのに電話してきたの?おとなしくちゃんと寝てなきゃダメじゃん」
〈うん、ごめんね。あのさ、私と同じグループの子たちに練習参加出来なくてごめんって、代わりに伝えといてくれないかな?〉
「わかった……。ちゃんとあったくして寝るんだよ」
感謝の言葉を残してから、ひーは電話を切った。