My best friend



「ご、ごめんねっ。はる……」


きっとひーは、あたしが怒ってる理由なんてわかってない。


訳もわからないのに必死に謝ってる姿が、さらにあたしを腹立たせた。


「謝ってくれなくていいわよ。あたしが勝手に怒ってるだけだから」


そう言って睨むと、ひーはその小さな身体をビクリと震わせた。



「だけど……今後一切、二度とそんなこと言わないで!!」



冷たく言い放ち、あたしは教室を飛び出した。




──大嫌い。


“影”に憧れる“光”なんて、あまりにも馬鹿げてる。


そんなにあたしみたいになりたければ、あたしを嫌いになればいい。


あたしみたいに親友を嫌って、醜い人間になっていけば、すぐに“影”になれるよ。


そんなこと……ひーにできるわけない。

っていうか普通はしちゃいけないことなのに、


“はるになりたかった”


なんて簡単に言わないで。



ひーなんか大嫌い。


今はもう、この世に存在するすべてのものが大嫌い。



< 77 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop