俺はカノジョが泣くのを3度見た【短編恋愛ショート版】
気づかれないように、俺は距離をとってついていった。

カノジョは、自分の家のある方向とちがう道を歩いていく。
たぶん、今俺は、カノジョのストーカーになってるんだろう。
商店街をこえて、街はずれまでついてきてしまった。

人気のない、うすぐらいビルの1階にある駐車場に、カノジョが入っていった。
俺もその後を追って入る。
カノジョはキョロキョロとまわりを見回した。
俺は、止めてある車の陰に隠れた。
隅に駐車してある一台の車に、カノジョが走っていった。
その車のドアが開き、カノジョは素早く中に乗り込んだ。
俺のいる場所から、車の中は暗くてよく見えない。
少しずつ、気づかれないように、その車に近づいていった。

俺ってマジストーカーだよな…

そのとき、外から、駐車場に車が入ってきて、ライトでカノジョのいる車を照らし出した。


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