俺はカノジョが泣くのを3度見た【短編恋愛ショート版】
いつも強気なカノジョが、
巣から落ちた雛鳥みたいに小さく弱々しく見える。
だから、余計に、言ってみたくなったのかも知れない。
俺はこんな言葉を口にしていた。

「俺にもやらせてくれよ…」

言ってしまったあと、
頭の中で、俺は水戸黄門の悪代官の姿になっていた。

カノジョは病気のおとっつぁんの薬代の為に、
悪代官から高金利の薬代を借りて、返済を迫られている貧乏な町娘。

「悪代官さま、もうすこしおまちください。
必ず、必ずお借りした薬代は、私が工面いたしますから…」

みすぼらしく古びてくすんだ着物姿のカノジョは、悪代官の俺に土下座してお願いした。

「こんなかわいい巨乳の娘に頭をさげられたら、聞かんわけにはいかんだろう」

いかにも金持ちではぶりのよさそうな派手な着物姿で、悪代官の俺は、顔をにやつかせ、声をたてて笑った。
それから、鯛の尾頭付きを肴に、酒をグイッと飲み干した。

「ありがとうございます」

何度もお辞儀をするカノジョの着物の胸元から、白い柔肌の巨乳の谷間がのぞく。

「そのかわりと言っちゃぁなんだが…」

俺は、カノジョの着物の腰帯をガシっと掴んだ。

「お代官様?!何をなさいます?!」
「これからが、お楽しみだ」

帯の端をにぎりながら、おもいっきり引っ張った。

「ア~レ~~!!」

カノジョの体をくるくる回しながら、帯をほどく。

「ふっ、ふっ、ふっ…、ええ乳しとるのぉぉ」
< 22 / 36 >

この作品をシェア

pagetop