俺はカノジョが泣くのを3度見た【短編恋愛ショート版】
こんなに集中して黒板にむかったのは、きっと、生まれて初めてだ。
ダークにうずまく悪の感情が俺を突き動かす。
それを、すべて吐き出しきるまで、黒板に書きこんだ。

書ききったと思ったら、急に眠気がわきおこった。
チョークを投げ捨て、自分の席に倒れこんだ。
悪代官から普通の俺にもどって、机の硬さを忘れるくらい突っ伏しながら爆睡した。

目が覚めたのは、クラスのみんなのざわめきだった声が耳に入ったからだった。

「やっぱりねー」
「クラス委員で、アンドーのお気に入りだったもの」
「それに、あの巨乳だし…」

黒板に書いたド派手な俺の文字が、クラス中の噂の元になっている。

その時、教室のドアが開き、カノジョが入ってきた。

「おはよう」

いつものように、カノジョが教室のみんなに挨拶をした。
でも誰も返事かえさない。

カノジョは怪訝そうに、俺のとなりの自分の席についた。
そして、黒板を見た。

『担任のアンドーは、奥さんが妊娠して、奥さんとSEXできなくてたまっているから、クラス委員の山下結沙とSEXしている!』
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