年下彼氏くん


楽しい時間って過ぎるの早い。


そろそろ行くかな…。


みんなの笑顔に見送られ、荷物を手に取って搭乗口へ向かった。


なんか…やっぱ一人って不安。


って俺らしくもねぇ…。


その時震えたケータイ。


画面を見ると“柚さん”の文字。


思わず押した通話ボタン…。


「柚さん…?」

『悠っ…何でっ…っ…』


泣いてるのが分かる…。


きつい…。


「柚さん、待ってろな?絶対迎えにくるから…」

「…っ待ってるね…?」


突然後ろから聞こえた声…。


マジで何してくれてんの…。


訳もわからず、すげぇ泣いてる柚さんを抱きしめた。


本物の柚さん…。


「何でっ…勝手に行くの〜…」


俺が離せなくなるからだっつーの…。


マジで泣きそう。


でも時間もヤバい…。


「柚さん」

「ゆうっ…んんっ…ん…」


思いっきり口を塞いでやった。


やっぱ柚さんだな…。


「柚さん、笑って見送って?」





< 146 / 181 >

この作品をシェア

pagetop