年下彼氏くん
お互いの…
*悠斗side*
恋するってのは不思議なもんで…。
下駄箱に入ってる手紙達も、
キャーキャーうるさい女達も気にならない。
屋上で時間を潰さず、そのまま教室へ向かった。
「田神じゃん。最近真面目だな〜」
「うっせぇよ高先。俺だってやる時はやんの〜」
「…頭でも打ったか?」
高先の嫌味も聞こえない。
それくらい舞い上がっちゃってるから、俺。
「無駄だよ〜先生。最近年上彼女出来てウハウハだからね〜ん」
「うっせぇよ秀」
「「「「いやーっ!」」」」
なんで叫ばれなきゃなんねぇんだよ…。
俺に彼女が出来たら悪いわけ?
「悠斗…彼女いたの?」
「留衣……おかげさまで」
「悠斗が彼女にするってことは…本気なんだね?」
「ん…。」
すこし淋しそうに笑った留衣に、複雑な気持ちになる…。
留衣とは家が近所の幼なじみ。
小、中、高全部同じで高校最後のクラスまで同じっていう…。
もちろん、留衣に恋愛感情を抱いたことなんてない。
多分向こうもそうだと思うし。