年下彼氏くん
ほんとに鈍感なんだから…。
気付いてよ、悠斗。
私だって悠斗が好きなんだよ。
モヤモヤしたまま迎えた文化祭当日。
担任の趣味で、ホストクラブとメイド喫茶をすることになったうちのクラス…。
「留衣〜、早く着替えなよ!」
「やっぱ嫌だ〜!!」
「何を今更…ほら行くよ」
「い〜や〜…」
そして無理矢理着替えさせられ、接客をしてた時だった。
悠斗が珍しく手伝いでもしにきたのかと思ったら、後ろに小柄な女の人。
…彼女…かぁ…。
一瞬で分かっちゃったよ。
だって高先と話してる彼女にむすっとした表情の悠斗。
ヤキモチ…だよね?
あんな悠斗見たことないもん。
しばらくすると溜息を残してでていった悠斗。
彼女なぜ気付かない?!
「…い…留衣?」
「あっ!ごっ…ごめん、何?」
向こうに気を取られてて何も聞いてなかった…。
「あれが噂の『柚乃』でしょ?」
「柚乃って言うんだ…」
名前まで可愛いんだ…
なんて思っちゃう自分もいて…。