年下彼氏くん
さっきまで見てたくせに、白々しく話し掛ける自分が嫌い…。
「あの…」
「はいっ?!」
驚いたのか、目をぱちぱちさせる柚乃さん。
近くで見ても綺麗な人…。
「悠斗と付き合ってるってほんとですか…?」
「あ…はいっ…ほんと♪」
答えなんてわかってたはずなのに、笑顔で答える柚乃さんにイラついてしまう…。
「そうですか…いつから?」
「今日で半年!悠は覚えてないみたいだけどね〜…」
「悠斗鈍感ですもんね〜…昔からですよ?」
嫌…。
「そ…そうなんだ〜!」
「昔から鈍感で。迷惑かけてないですか?悠斗が…」
「ははっ…」
嫌な子だよね…。
こんなこと言いたくて柚乃さんに話し掛けたんじゃない…。
でも柚乃さんは、思ってたよりずっといい人で。
それが悔しかったのかもしれない。
だから私はもっと嫌な女になってしまう…。