年下彼氏くん
運がいいのか悪いのか。
店の中にはあたしたちふたりだけ。
「おもしろい人っすね?」
そんなキラキラした笑顔で見ないで〜…。
笑顔までカッコイイんだからもう…。
「あの…いくらですか?」
恥ずかしさを隠そうと思って言ったのに、
「ははははっ!二回目っすよ!120円になります。」
「えっ!?あぁ!そっかそっか!」
もうヤダ。
穴があったら入りたい状態…。
財布の中をゴソゴソ…。
まさかのまさか…
「1円…足りない……。」
「もう腹いてぇ〜!」
あたしの馬鹿…。
「違うの持ってくる…。」
「仕方ないっすね〜。はい。」
手の平に乗せられた1円玉…。
「いやいや、そんな!悪いから!」
「いいっすよ、1円ぐらい。」
「そんな……、じゃあ、借りる!それでまた返しにくる!」
「ははっ!俺基本6時から11時まで入ってるんで、この時間なら暇だし。いつでも来て下さい?」
「ほんと…ごめんなさい…」
「いいっすよ?神谷 柚乃さん?」
ん?
なんであたしの名前?!
「財布の中身、全部出てるし。これ名刺っすか?」