年下彼氏くん
相手のためを想う
*悠斗side*
すこし肌寒くなってきた11月半ば。
職員室に呼び出された俺…。
理由はなんとなくわかってる。
「お前進路どうすんの?」
やっぱり…。
まだ決まってねぇのなんか俺くらいか…。
「俺はあっちには行かねぇ」
「それを俺に言うなっての…。面談までに話つけとけよ?」
「高先…マジなんとか言ってくんね?」
「お前なりたいモンとかねぇんだろ?」
「まぁ…」
「じゃあ素直に親父さんのあと継げばいいだろ」
それが嫌だから頼んでるんじゃねぇか…。
ロサンゼルスに住んでる俺の両親。
クソでかい会社の社長をしてる親父と、一流デザイナーの母ちゃん。
そんなふたりから生まれた俺は一人っ子。
だから親父としては跡ついでもらわねぇと困るってわけ。
俺にそんな重大な役目を果たせるわけがない…。